アルパカログ

プログラミングとマネジメントがメインです。時々エモいのも書きます。

マネージャーを逆評価で殴り続けると死ぬ

チームメンバーからマネージャーへのフィードバックの仕組みは、今や多くの会社で当たり前になってきた。

逆評価がそれで、ここで言う逆評価とは、職場や上司に対する期待や満足度をアンケート形式で回答し、上司にフィードバックするものだ。会社によってはサーベイや360度評価がその役割を担っているかもしれない。いずれにせよ、フィードバックの結果に悩んだり凹んだりしているマネージャーは多いことだろう。私もその一人である。

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私はどちらかというと悲観的な性格なので、フィードバック結果を突きつけられると、たとえ良好な結果だとしても「メンバーが気を遣っているのではないか」「本当は何か我慢しているのではないか」と考えてしまうし、悪い結果だとしたらそれがずっと頭から離れなくなる。胃もキリキリする。

もちろん、そんな風にマネージャーに気付きを与え考えさせるのがフィードバックの目的だというのは理解している。しかし実施した以上、改善が求められるのは確かだし、改善に躍起になるあまり他の重大な問題がなおざりにされてしまうのではないかという不安もある。

逆評価やサーベイといったフィードバックの仕組みを否定するつもりは全くない。しかし、フィードバック結果はいつだって頭から離れず思考の何%かを占有する。メンタルが痛むことも珍しくない。だから私たちマネージャーは、フィードバックと上手く付き合っていかなければならないし、その術を知っておく必要がある。

そういうわけで、私なりのフィードバックとの付き合い方を書いてみたいと思う。

マネージャーに求められること

マネージャーに求められることの第一は、組織の成果を最大化することだ。もちろん、働きやすさの改善や心理的安全性の向上といった要素も大事だが、それらは目的のための手段に過ぎない。

成果を最大化するという目線でフィードバックを見てみると、フィードバックには必ずしも成果につながるとは言えないものも含まれていることに気付く。フィードバックを鵜呑みにすべきでないというのは、ソフトウェアエンジニアが要件定義のとき、顧客の要望の裏にある真の課題を見つけ出すことに似ている。すなわちフィードバックは、フィードバックにつながった真の課題があることを示唆していて、表面的な対処は真の課題解決ではないということだ。

「いくつかのフィードバックの元をたどっていくと共通の1つの課題に行き着いた」ということもなくはないが、現実の問題はそんなに甘くはない。課題が見つかってもすべて解決することはできないし、一方を立てるともう一方が立たないといった衝突だってある。個人的には、こういうどうしようもない場面で自身に無力感を感じるマネージャーは多いんじゃないかと思っている。

成果という視点に立ち戻ってみると、無力感を感じても前に進まなければならない。そのためにはある種の達観、と言いたいところだが実質的には割り切りが必要だ。それはフィードバックの課題解決に比例して成果が上がるわけではないということだ。フィードバックの課題解決は、マイナスをゼロに戻し、ある程度までは成果に寄与するだろうが、それだけで成果を最大化できるものではない。ときには取り組まないという選択もしなければならないし、私たちはそのことを忘れてはならない。

まあ、頭では理解できるんだけど感情的には納得いかないんだよね。そうしているうちに、いつか心まで失くしてしまうんじゃないかという気さえする。

納得はどこに?

そういうのも含め、マネージャーはいろいろな悩みを抱えているというのは以前「全然わからない。俺たちは雰囲気でマネージャーをやっている。」というエントリでも書いたし、また「マネージャーの視点から見える向こう側の景色」から引用するのだけれど、

「以前は責任を負う立場になれば意思決定が楽になると思っていたけど、実際はもっと向き合わなきゃいけない矛盾が増えていくんだよね」

というのが、まさにマネージャーの「頭では理解できるけど感情的には納得いかない」現象を表していて、矛盾に対応し続けた結果、「自身のなりたい姿」と「組織としてあるべき姿」がどんどんかけ離れていっているように感じるんじゃないかと思っている。

この現象にはもしかするとすでに名前があるのかもしれないけれど、今のところ私は解決策を見つけていない。ただなんとなくだが、ギャップを楽しめるようになればいいのかなとは思っている。「乖離していく自分を見て楽しむ」と言うとサイコパスみたいだが、「まあそういうこともあるよね」くらいに楽しめる第三者的な見方は必要だろう。

ジョジョの奇妙な冒険」が好きなので、またセリフを紹介して終わりにしたいのだけれど、第7部スティール・ボール・ランに登場するジャイロ・ツェペリもまた、「自身のなりたい姿」と「職業人としてのあるべき姿」とのギャップに苦しんでいた。彼の苦悩はきっと心に響く人も多いだろう。

オレは「納得」したいだけだ 「納得」は全てに優先するぜッ!!

でないとオレは「前」へ進めねえッ!「どこへ」も!「未来」への道も!探す事は出来ねえッ!!

だからこのスティール・ボール・ラン・レースに参加したッ!

現場からは以上です!