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TED「やる気に関する驚きの科学」まとめと感想

ダニエル・ピンク 「やる気に関する驚きの科学」(The puzzle of motivation)

www.ted.com

あまりに衝撃を受けたのでまだ観ていない人は観ておくことをおすすめする。

要点を備忘録として残しておきたい。

「~したら~を与えられる」型の報酬は時に害となる

ロウソク問題というのがある。

詳細は省くが、要はとんちだ。

この問題を2つのグループに解かせて時間を計った。

1つのグループには「平均時間が知りたいだけ」と言い、もう1つのグループには「早く解けた人には報酬を差し上げます」と言った。

どちらが早く解けたか?

そりゃもちろん報酬を提示されたグループ…ではなかった。

次に前述のロウソク問題を、とんちではない単純な問題にして同じように実験した。

すると報酬を提示されたグループが勝った。

いったいどういうことだろうか?

課題に対して、答えが1つしかないような単純なケースと、様々な答えが考えられるような複雑なケースでは、金銭的報酬の作用が異なっている。

金銭的報酬は、問題がシンプルな状況においてはうまく機能するが、柔軟な発想が要求される状況においてはネガティブに働く。

私たちの仕事はどちらの問題に属するか?考えるまでもない。

そして多くの組織において、評価制度は科学的な根拠ではなく、こうであるはずという未検証の前提に基づいているのだ。

金銭的な外的動機よりも内的動機が必要

内的動機とはここでは3つ挙げられている。

  • 自主性
  • 成長
  • 目的

自主性の興味深い例として、マイクロソフト社が多額の予算をつぎ込んで百科事典を作ろうとした話がある。

各分野の専門家に報酬を払い、マネージャーにも報酬を払い、万全の体制だ。

他方、少し経って、別のアプローチで百科事典が作られようとしていた。

驚くべきことに、ライターには一切の報酬を支払わないという…

どちらが勝ったか?

Wikipedia は、みなさんもご存知ですよね。

感想

人に行動を促すには、人の内面的な欲求に訴えかけるべきであるというのはD・カーネギーの『人を動かす』でも書かれていたが、金銭的報酬がかえって逆効果になる場合があるというのは目から鱗だった。

フリーランス的な働き方をしていたときは、お金のために働くということで物事を自分事にするのが難しく、モチベーションの維持に苦労したのを覚えている。

さらに言うと、この事実は教育にも適用できるのではないか。

必要性に駆られて学ぶ重要性について、論語ではこう書かれている*1

学びて時にこれを習う

またよろこばしからずや

内面的な動機の提供やきっかけ作りが本当の教育の姿なのかもしれない。

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*1:出典: 宮城谷昌光著『中国古典の言行録』